前回に引き続きメリケン向い飛車のPART3です。

居飛車が6四歩と反撃作を見せた手に対して、
それでもなお、居玉のまま急戦を仕掛けるとのは
居玉で当たりがきつく失敗しました。

今回は△6四歩に対して、玉を囲ってから
仕掛ける展開を見ていきます。

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メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_1

PART2ではここから▲8六歩と仕掛けてたものの、
後手の△6五歩の反撃から戦いを起こされ、
玉形の差で不利になってしまいました。

△6四歩型に居玉で仕掛けるのが無理なことが分かりました。


メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_2

後手の△6四歩に対して、▲4八玉、△5二金右、
▲3八玉、△4二銀、▲4八銀、△6三銀とした局面です。

ここからいつも通り仕掛けます。

仕掛けはいつも同じ手順で分かりやすくて良いですね(笑)

以下、
▲8六歩、△同歩、▲同飛、△同飛、
▲同角、△8八歩
と進み下図へ。


メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_3

△8八歩がいつも通りの手筋の反撃。

これに対して応手は3つ考えられます。

①8二飛

②同金

③7七桂


②と③は参考図のようになり不利になります。

②は同金以下、△6五歩、▲7七角、△6六歩、
▲同銀、△6九飛と進み後手が良しです。(参考図)

また、△6六歩に対して▲5八銀と引くのは、
△8二飛と自陣飛車を打ち、6六歩の取り込みが大きく
後手が指しやすいです。

③は▲7七桂以下、△8九歩成、▲8二飛、
△9九と、△8九飛と後手良しです。(参考図)

【参考図】
<②同金の変化><③7七桂の変化>
メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_4_参考メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_5_参考


メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_6

後手の△8八歩に対して、▲8二飛と攻め合い、

以下、△8九歩成、▲8一飛成、△9九と
▲9一竜と互いに桂香を取り合った局面です。

以下、
△2四香、▲2八香、△8九飛、▲9五角、
△9八と、▲7三角成
と進み下図へ。


メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_7

先手の▲2八香は後々の△2七香成や
△3五桂などの筋を未然に防ぎ、
▲2六歩から逆襲を見せた手。

以下、
△8八と、▲7八金、△7九飛成、▲5九金
△5五桂
と進み下図へ。


メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_8

▲5九金がと金を近づけさせない好手。

それでも後手は△5五桂として、
銀の利きを反らしてと金を使おうとします。

以下、
▲5八銀、△7八と、▲9五馬、△6八と、
▲同馬、△7五飛成、▲5六歩
と進み下図へ。


メリケン向飛車PART3(54歩64歩型)_9

先手が優勢です。

5五の桂を取り駒得になり、
2六歩からの分かりやすい攻めが
あるのに対して、後手からは
それに勝る有効な手段がありません。

ただ、この変化は一例にすぎません。
後手が9九ととして香を取る手に代えて、
△6五歩も十分考えられるところです。

メリケン向かい飛車に関する著書

島ノート 振り飛車編

公望流 メリケン向飛車戦法 (三一将棋シリーズ)