「二枚換えなら歩ともせよ」という格言ご存知ですか?

2枚換えなら積極的に交換して駒得を狙うべき
ということを表している格言です。

サッカーに例えるなら11対11で戦っていたのが、
12対10になるわけですから当然有利ですよね。

実際は局面によって変わってくるので
いくつか例を上げます。


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①飛車と金銀の交換

②桂と歩2枚の交換

③角と銀歩の交換


①については多くの場合、
金銀の方が得なので交換すべきです。

②・③については局面によって異なります。


②については、歩2枚を持ち歩にすることで、
効果的な歩の手筋が使えるなどでしたら有効です。


②③に共通するのは相手が歩切れか否かが
ひとつの判断材料です。
歩切れの場合は成立することもありますが、
そうではない場合交換しない方が得策です。


③の具体例を実戦譜から取り上げます。
2008年王位戦 深浦王位(当時)対羽生挑戦者の対局からです。



2枚換えなら歩ともせよ_0

後手が△4二角と引いた瞬間に
▲2四歩と突いた局面です。


以下、△同歩、▲同角、△同角、▲同飛、
△2三銀、▲2八飛、△2四歩、▲6八角
と進みます。



2枚換えなら歩ともせよ_1

最終手の▲6八角が2枚換えを狙った手です。
実戦はそれを防いで△4二角としました。

仮に△2二玉とした場合は、▲2四角、▲同銀、▲同飛
となり後手が歩切れで受けにくい形です。(参考図)


【参考図】

2枚換えなら歩ともせよ_2

後手は受け方が難しいです。
△2三金は▲2八飛と引かれて▲2四歩が残ります。

角と銀歩交換の2枚換えの成功例です。

仮に後手に1歩でもあれば、
この交換は損になります。


2枚換えなら歩ともせよ_参考

余談ですが、参考例を探しているときに
この棋譜を見て懐かしく感じました。

プロ間で一時期見かけた指し方です。

初手から、▲7六歩、△3四歩、▲2六歩、
△3二金、▲7八金、△4四歩です。

△3二金は一手損角換りも視野に入れた手です。
▲7八金により、▲7八銀~▲7九角とスムーズに

角を移動させれないのを見て、△4四歩と
角道を止めるという指し方です。


参考になれば幸いです。