11月16日に東京ビックサイトに行って、
JTプロ公式戦決勝を観戦してきました。

私が将棋イベントに行くのは珍しいです笑

棋譜_2
いきなりですが、
次の羽生さんが指した手何だと思いますか?

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東京ビックサイトは初めて行きました。

公式戦観覧用の席は14時20分開場ですが、
私は1時半頃到着しました。

既に想像以上に並んでてビックリしました。
前に30~50人ぐらいいたかな?(結構適当)


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まずは対局者の挨拶で羽生名人。


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続いて渡辺二冠。


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そのあとは藤井九段による詰将棋です。

藤井九段が作った詰将棋の問題を出して
分かった人が手を挙げて答えるという感じでした。

手を挙げているのはほとんどお子さんたちです。
5手詰ばかりでした笑


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これは最後に出題された7手詰です。


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こども大会決勝戦が行われるとのことで
解説の藤井九段と聞き手の矢内女流五段登場です。


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低学年の部決勝戦を戦う二人です。


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すぐ隣で指してるので解説の藤井九段と
聞き手の矢内女流五段は長い棒を使って
指し手を示して解説しています。

低学年の部決勝戦はすごく熱戦の将棋でした。
駒を自陣に打ち付けて負けないように
指してるのが印象的でした。(善悪は別として。)

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続いて高学年の部決勝戦です。


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こちらは中盤で形勢を損ねてしまい、
段々と差が開き、最後は大差になってました。

ただ、途中優勢の後手の対応が良くなくて、
勝負手が決まりそうな怪しい局面もあったようです。


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いよいよ待ちに待った対局が始まります。



棋譜_1

初手から
▲7六歩、△8四歩、▲6八銀、△3四歩、
▲6六歩、△6二銀、▲5六歩、△5四歩、
▲4八銀、△4二銀、▲5八金右、△3二金、
▲7八金、△4一玉、▲6九玉、△5二金、
▲7七銀、△3三銀、▲7九角、△3一角、
▲3六歩、△4四歩、▲3七銀、△6四角、
▲6七金右、△7四歩、▲6八角、△4三金右、
▲7九玉、△3一玉、▲8八玉、△2二玉、
▲4六銀、△4五歩
と進んだ局面です。

矢倉の将棋になりました。

よくある定跡通りに進みましたが、
後手の渡辺二冠が△4五歩と反発しました。

この形は▲4六銀▲3七桂戦法が載ってる本なら
だいたい解説されてそうです。

後手無理筋と解説されてると思います。

しかし、最近この将棋が見られるようになってきました。

定跡書では△4五歩の反発には
銀を引いた後、▲4六歩から反発して
先手指しやすいと解説がありますが、
私は以前から疑問を持ってました。

守りの金2枚を使って馬を取りに行く順
が一例としてありますが、とても先手が

まとめきれると思ってなかったんですよね・・・。
(私が弱いだけなのかもしれませんが。)

最近、見直されてるようで、
すっきりした気分だったりします笑

以下、
▲3七銀、△5三銀、▲4八飛、△9四歩、
▲4六歩、△同 歩、▲同 角、△7三桂
と進みました。

棋譜_2
△9四歩のところでは、「位を取ったら
位の確保」の格言通り、△4四銀が
自然に見えますが、当たりがきつくなる
だけとの判断なのかなと思いました。

△7三桂までは渡辺二冠用意してきた
展開通りとの感想がありました。

封じ手をして、お客さんが予想すると
いうものがあるのですが、この局面が
封じ手となりました。

次の羽生さんが指した手は何だと思いますか?

ちなみに会場で正解者はいませんでした苦笑

これを当てた方がいたら、
形に捉われず柔軟な発想ができている
感じがするので凄いと思います!

良かったら考えてみてから
進めてください。

棋譜_3
私は▲6八角を予想してたのですが、

実戦は▲6八銀と進みました。

予想は当たりましたか?

これは解説の藤井九段、
聞き手の矢内女流五段の
候補手にもなってませんでした。

対矢倉中飛車の場合などにおいては
この手はありますが、こんな形では
初めて見てビックリしました。

以下、
△9五歩、▲6四角、△同 銀、▲3五歩、
△同 歩、▲4六銀
と進み下図へ。

棋譜_4
▲6八銀により▲8六銀として端を
補強する形がなくなったので、
△9五歩はこう指したいところ
という感じですよね。

▲3五歩~▲4六銀は勉強になる手だと
感じました。

馬を作るより、遊び駒の銀を使っていくのが
本筋ということなんでしょうかね。

私だったら▲7一角と馬を作りたくなってしまいます。
ただ、感想を聞いてるとその展開は
渡辺二冠は望むところという感じでした。

馬を作らせても良いという考えがあるというのが
私にはなかなか思い浮かばない発想だったので
勉強になると感じました。

以下、
△4七歩、▲3八飛、△4九角、▲2八飛、
△7五歩と進み下図へ。


棋譜_5
△4七歩に▲同飛は△3八角があります。
△4七歩はこの形ではよく出てくる手ですね。

以下、
▲4五銀、△7六歩、▲7一角、△7二飛、
▲3五角成 △3四歩、▲2六馬、△8五桂、
▲4四歩と進み下図へ。


棋譜_6
▲2六馬のところで羽生名人は
少し時間を使っていました。

馬の逃げ場所によって、
攻め合うのか受けに回るのか
方針が変わるので考えて
おられたのかなと思いました。

最終手の▲4四歩に、
あなたならどう対応しますか?


棋譜_7
実戦は△5三金と寄りました。

何も考えず形だけなら△4二金引
ですが、その場合は先手からも
▲5四銀と出る手があります。

△5三金とすることにより、先手から
すぐに攻める手が難しく、先手の受け、
後手の攻めという形になるのでこの手を
選んだのかなと思いました。

以下、
▲5九馬、△4八歩成、▲同 飛、△2七角成、
▲5八馬、△4七歩、▲同 飛、△3八馬、
▲3七桂、△4七馬、▲同 馬、△4九飛、
▲3八馬、△1九飛成、▲3九歩
と進みました。

棋譜_8
△4八歩成の焦点の成り捨てや
▲3九歩の底歩など勉強になる
手がたくさん出てきます。

以下、
△7七香、▲2四歩、△同 歩、▲2三歩、
△1二玉、▲6一角、△7一飛、▲8三角成、
△1八龍と進み下図へ。


棋譜_9
▲2四歩からの味の付け方や、
△1八龍とじっと遊び駒の活用など
見所満載の将棋でした。

以下は、後手の渡辺二冠が
攻め切って勝ちました。

局後の感想で、▲6八銀は、
良くなかったかもという感想も
ありました。

実際どうだったのかは研究が
必要というところでしょうか。

ただ、形に捉われない柔軟な発想を
できるのが羽生名人の強さのひとつなんだと
強く感じました。


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渡辺二冠JTプロ公式戦初優勝です。

棋譜です。