2014年11月28日に行われた朝日オープン戦で
大平五段の左穴熊対策が私個人としては、
すごく驚きの新構想だったのでご紹介します。

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※便宜上、盤面反転しております。
大平五段の工夫_1

先手が▲6八角と引いた局面です。

ここからの後手の大平五段の指し方に
とても驚きました^^

以下、
△3一角!、▲5七銀、△2四飛
と進み下図へ。

大平五段の工夫_2

△3一角として飛車の打ち込みを無くして、
飛車をぶつけるのが狙いの一着。

特に△3二銀、△3一角という形で打ち込みを
無くすという発想は今まで見たことなかったので
とても驚きました!

飛車の打ち込みがないというのは、
一段金の形というのが基本だと思っていたので。

以下、
▲同飛、△同歩、▲3六歩
と進み下図へ。

大平五段の工夫_3

後手陣に飛車の打ち込む隙がないので、
遅いようでも▲3六歩と弱点の桂頭を狙うのは、
といったところでしょうか。

大平五段の工夫_3_1

上図から、
△3六同歩、▲7五歩と
進んだ局面です。

▲7五歩に代えて▲6六銀だと、
△6五歩、▲7七銀引、△3四飛!で
完封されると思ったと門倉四段の感想
があったようです。(参考図)

【参考図】
大平五段の工夫_3_2

次に後手からは△3七歩成から、△4八と
ととてもわかりやすい指し手があるのに対して、
先手の手段が難しいということなのでしょう。

大平五段の工夫_4

そして実戦は▲7五歩以下、
△同 歩、▲6六銀、△2八飛、▲7五銀、
△7四歩、▲8六銀、△2九飛成、▲3四歩、
△4五桂、▲3三歩成、△同 銀、▲4一飛、
△4二角、▲2四角
と進みました。

▲2四角となった局面は後手の振り飛車側の
桂も捌け、眠っていた角も使える形になり、
飛車銀交換の駒得となり、後手はっきり
優勢だと思います。

以下は門倉四段も必至に喰らいつきますが、
リードを保って大平五段が逃げ切ったような
印象の将棋でした。

<棋譜>