対居飛穴最終兵器 矢倉流中飛車の極意 (マイナビ将棋BOOKS)


対居飛穴最終兵器 矢倉流中飛車の極意」をAmazonで購入して先日届いて読みました。
内容について私なりにレビューします。

この本は、対居飛車穴熊に対して中飛車の矢倉流と呼ばれる穴熊対策を得意としている振り飛車党の矢倉七段の初めての本です。

冒頭で、「相居飛車の矢倉中飛車とは全く違うので、間違って買われた方には申し訳ないが、最後までお付き合い願いたい」と書かれてる部分には少し笑ってしまった。

対居飛穴と書かれてる以上、相居飛車の矢倉中飛車と間違えて買った方がいるとすれば、その方がちゃんとみてないだけで、わざわざ謝ることではないとは思う。

9つのテーマ局面に対して、すべて美濃囲いで対応する順について解説されています。

最近、中継アプリで見た棋譜の変化も現れていたので、間違いなく最新の研究の内容が書かれた内容ととなっているということでしょう。
(矢倉流中飛車を指す棋士がほとんどいないので、なかなか進歩しないでしょうしね。)

例えば下図です。

20150515佐々矢倉_1
これは5月15日に中継アプリで中継された第28期竜王戦4組の将棋です。
先手が▲2六飛とした局面です。

この手は、穴熊を目指す前に先に必要な手を指して相手の出方の様子を見るという意味です。


20150515佐々矢倉_2
そして上図から長手数進んでこの局面になりました。

この局面に至るまでの手が解説されています。
本の中では後手十分となってます。

実戦は終盤で勝ちになる手もあったようですが逃してしまい、惜しくも負けてしまいましたが、局面としては振り飛車も十分やれている将棋でした。

<良かったところ>
冒頭に基本図からどう進むと○ページという目次のようなのがあるのは、あとから確認したいときには良い感じですね。

また、最後には確認テストとして、本に書かれてる局面の次の1手問題があるので復習によりちゃんと学べる本の構成になってるのは良いと思う。

最後には自戦譜が3局解説があったのも◎
(個人的には解説いらないので、棋譜だけを20ぐらい載せてくれると嬉しいのだが。)

<気になったところ>
千日手含みの変化もあるため、すべて後手番での解説になっているのですが、図がすべて居飛車側が下になっています。(ひふみんアイの状態)

私は気になりませんでしたが、盤面を反転して中飛車側を下にしてほしいと思う方も少なからずいるのではないかなと思いました。
(気になる方は、盤に並べるか局面を見る時だけ本を逆にしてください笑)

<最後に>
_3
上図の最新の研究も惜しげもなく披露しているのも興味深いです。
△1四歩は解説されないと謎すぎますよね。
知りたい方は本をじっくり読んでみてください笑

矢倉流中飛車はノーマル三間飛車からでも変化することができるので、中飛車だけではなく三間飛車党の方も穴熊対策の一つとして読んでみるのは面白いと思う。

美濃囲いは局面が互角でも実戦的にはやはり難しい部分が多いのも事実だと思います。
そんな方には矢倉流中飛車の相穴についても触れている「西川流振り飛車 居飛車穴熊破り」を合わせて読むとバリエーションが増えて良いと思う。

私自身としては、しばらく後手番では矢倉流中飛車を試して自分の得意戦法にしたいと思います。