
2015年7月29日に第74期順位戦2回戦
久保九段対渡辺棋王の対局が行われました。
先手久保九段の中飛車に対して、渡辺棋王は
得意の穴熊で挑み相穴熊の将棋になりました。
深夜まで行われた激戦の将棋を振り返ります。
スポンサードリンク

この将棋はなんといってもこの手が一番印象に残ります。
局面は持ち駒の金を飛車取りに打ったところです。
少し前に羽生さんが棋聖戦で貴重な1歩を打って、
すぐに成り捨てという驚愕な手が出ましたが、
それと同じぐらいこの手に驚きました。
激戦の相穴熊戦をじっくりご覧ください。
# ---- Kifu for Windows V7 V7.09 棋譜ファイル ---- 開始日時:2015/07/29 22:29:03 終了日時:2015/07/30 15:29:34 手合割:平手 先手:久保利明九段 後手:渡辺明棋王 手数----指手---------消費時間-- *第74期順位戦A級2回戦 *久保利明九段 vs 渡辺明棋王 1 5六歩(57) ( 0:00/00:00:00) *本局は先手中飛車を用意してきたようですね。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) 3 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) 4 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00) 5 5八飛(28) ( 0:00/00:00:00) 6 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) 7 5五歩(56) ( 0:00/00:00:00) 8 4二玉(51) ( 0:00/00:00:00) 9 4八玉(59) ( 0:00/00:00:00) 10 3二玉(42) ( 0:00/00:00:00) 11 3八玉(48) ( 0:00/00:00:00) 12 5二金(61) ( 0:00/00:00:00) 13 2八玉(38) ( 0:00/00:00:00) 14 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) 15 7七角(88) ( 0:00/00:00:00) 16 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00) 17 6八銀(79) ( 0:00/00:00:00) 18 3三角(22) ( 0:00/00:00:00) 19 1八香(19) ( 0:00/00:00:00) 20 2二玉(32) ( 0:00/00:00:00) 21 1九玉(28) ( 0:00/00:00:00) 22 4三金(52) ( 0:00/00:00:00) 23 2八銀(39) ( 0:00/00:00:00) 24 1二香(11) ( 0:00/00:00:00) 25 5七銀(68) ( 0:00/00:00:00) 26 1一玉(22) ( 0:00/00:00:00) 27 3九金(49) ( 0:00/00:00:00) 28 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) 29 4六銀(57) ( 0:00/00:00:00) *居飛車側が穴熊に組んだ場合は、先手も穴熊に組む実戦例が多く、この辺りまでは自然なよくある進行ですね。 30 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *この手は先手から7五歩をさせない意味もあります。 *他には後手の6二の銀が移動した後、先手から▲5六飛~▲6六飛の狙いがあり、その際に△8三飛と受けれるようにした意味もあります。 31 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) 32 7三銀(62) ( 0:00/00:00:00) *これは珍しい手で、積極的ですね。 *渡辺棋王が用意してきた手かもしれません。 * *多くの実戦例では△5一銀~△4二銀とする指し方が圧倒的に多いです。 33 5九金(69) ( 0:00/00:00:00) 34 6四銀(73) ( 0:00/00:00:00) 35 4九金(59) ( 0:00/00:00:00) *後手からの△6五銀を防いで、今度は△7五歩などと狙われたりするので、1手の価値が低いです。 *先手としては、後手の△6四の銀の攻めを受け止めるというよりは、軽くいなして、そっぽのうちに3筋、4筋方面で戦いを起こすのが先手の理想です。 36 6五銀(64) ( 0:00/00:00:00) 37 5九角(77) ( 0:00/00:00:00) *先に逃げるのがよくある受けの形。 38 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) 39 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00) 40 7六銀(65) ( 0:00/00:00:00) 41 3五歩(36) ( 0:00/00:00:00) 42 2二角(33) ( 0:00/00:00:00) *この手は57分の長考だったようです。 *△3五同歩が自然なので、これは少しひねった手という感じですね。 * *1つの意味としては▲3四歩の取り込みが角当たりにならないということですね。 * 43 3四歩(35) ( 0:00/00:00:00) 44 6七銀成(76) ( 0:00/00:00:00) *△2二角の効果で▲3四歩に構わずこの手が指せるということですね。 *これで後手が一番懸念していた、銀が遊ぶ展開にはなりにくそうですね。 45 5六飛(58) ( 0:00/00:00:00) *私は▲3八飛が自然に思えましたが、久保九段は飛車を浮きました。 * *この手は左辺から飛車を捌きたいということでしょうか。他には8六飛を防いでいるので、▲2六角などの角を自由に動かせるようになりました。 46 3四金(43) ( 0:00/00:00:00) 47 6二歩打 ( 0:00/00:00:00) *手筋の手裏剣という感じですね。 * *▲6一歩成とと金を作るのが狙いで、△同飛ならば▲5四歩、△同歩、▲同飛で▲7四飛~▲8四飛という転換の狙いがあります。 48 3六歩打 ( 0:00/00:00:00) *嫌味な垂れ歩。 *次に△4五歩を狙っています。 49 3五歩打 ( 0:00/00:00:00) *▲6一歩成もあるようですが、後手から突かれて△4五歩と▲5七銀、△同成銀で銀交換になってしまいます。 * *先手としては6七の成銀はできるだけ相手にしたくないので、自然な手に見えますね。 50 3三金(34) ( 0:00/00:00:00) 51 3八金(49) ( 0:00/00:00:00) *落ち着いてますね。 *これで一気に穴熊が堅くなった印象ですね。 *後手の成り銀からも遠ざかりました。 52 4三金(33) ( 0:00/00:00:00) 53 6一歩成(62) ( 0:00/00:00:00) *先手待望のと金ができました。 *このと金が▲5一と~▲4一と~▲3一とのような順で銀が一枚取れれば先手がはっきり優勢になるので、後手は忙しい局面です。 54 7三桂(81) ( 0:00/00:00:00) 55 7七桂(89) ( 0:00/00:00:00) *後手の△6五桂を防ぐ。 56 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *この手は△1三角で遊んでる角を活用する手を含みにした意味もありそうです。 57 5一と(61) ( 0:00/00:00:00) 58 4二金(43) ( 0:00/00:00:00) *▲4一とだけは許せません。 59 8五桂(77) ( 0:00/00:00:00)+ *感想戦で、少し急ぎすぎたというような感想があったようですね。 * *この手に代えて、▲3四歩が有力で、以下、△8一飛、▲5二と、△同金、▲5四歩、△同歩、▲同飛、△4二金右、▲5三歩で先手ペースだったようですね。(参考図1) * 60 6五桂(73) ( 0:00/00:00:00) *跳ね違いの桂はたまに出てくる桂の手筋。 *この手は、△4五歩、▲同銀、△5七桂成を狙っています。 * * 61 7三桂成(85) ( 0:00/00:00:00) *跳ね違いの桂は当然承知の上で久保九段はこれで指せると見ているのですね。 62 8一飛(82) ( 0:00/00:00:00) 63 6二成桂(73) ( 0:00/00:00:00) 64 4五歩(44) ( 0:00/00:00:00) 65 同 銀(46) ( 0:00/00:00:00) 66 5七桂成(65) ( 0:00/00:00:00) 67 3六飛(56) ( 0:00/00:00:00) *嫌味な垂れ歩が取れて味が良いですね。 *▲8五桂が急ぎすぎだったというような感想があったようですが、これでも依然として先手が有利だと思います。 * 68 5八成銀(67) ( 0:00/00:00:00) 69 5二と(51) ( 0:00/00:00:00) *角取りに構わず攻め合いに出ました。 *△5九成銀と取った瞬間が働きが薄いので取らせて1手稼ぐということなのでしょうか。 * *平凡に▲7七角や▲3七角と逃げるのが普通で、そちらも有力ですね。 * 70 5九成銀(58) ( 0:00/00:00:00) 71 4二と(52) ( 0:00/00:00:00) 72 同 金(32) ( 0:00/00:00:00) 73 3四歩(35) ( 0:00/00:00:00) *▲3四銀も有力でした。 *ただ、▲3四銀だと3筋に歩が使えない形なので、こちらの方が筋という感じがしますね。 74 6七角打 ( 0:00/00:00:00) *銀取りで先手の攻め駒を攻める。 *後手の渡辺棋王は、攻め合いでは厳しいのでしばらく受けるという方針のようですね。 75 3三歩成(34) ( 0:00/00:00:00) 76 同 金(42) ( 0:00/00:00:00) *△4五角成も有力だったようで、以下▲4二とには構わず△3六馬。 *しかし、玉が非常に薄くなるので、後手はその順は選びきれなさそうですね。 77 4四銀(45) ( 0:00/00:00:00) *華麗な捨て駒ですね。 78 同 金(33) ( 0:00/00:00:00) 79 3二歩打 ( 0:00/00:00:00) 80 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00) 81 5二成桂(62) ( 0:00/00:00:00) *▲4四銀と捨てたのはこれで成桂を活用できるということですね。 *先手は駒損しても攻めが繋がってしまえば勝ちです。 82 3三銀(42) ( 0:00/00:00:00) 83 7二金打 ( 0:00/00:00:00)+ *驚愕の1手。 * *奨励会員がこのような手を指したら、破門ですねと言われる類の手ではないでしょうか。 * *この金が寄せに働く見込みはほとんどなく、飛車を1段目からどかすためだけに貴重な持ち駒の金を使うのは基本的にはありえません。 *久保九段はこれでやれるとみてるということなのでしょうか。 * *この手に代えて、激指13では▲同飛成が有力としていました。(参考図2) 84 8三飛(81) ( 0:00/00:00:00) *飛車を逃げずに△3五歩など利かしてから逃げるような順も考えたでしょうが、実戦は単に逃げました。 85 4一成桂(52) ( 0:00/00:00:00) *△7二金の意味はこの手が指したかったからですね。 86 4八歩打 ( 0:00/00:00:00) *歩の攻めなのでリスクがほとんどないですね。 *後手からは何回でもこの筋でと金が作れるので、先手としても忙しい局面ですが、金を使ってしまったのでうまく攻めが繋がるかどうかという局面になってます。 87 3一歩成(32) ( 0:00/00:00:00) 88 4九歩成(48) ( 0:00/00:00:00) 89 3四歩打 ( 0:00/00:00:00) 90 同 銀(33) ( 0:00/00:00:00) 91 3二と(31) ( 0:00/00:00:00)+ *この手が良くなかったようですね。 *この手に代えて、▲3四同飛、△同角成、▲3二銀、△3一角、▲同成桂、△2二玉、▲1一角、△1三玉、▲2一成桂とする順も有力でした。(参考図3) 92 3三銀打 ( 0:00/00:00:00) *しっかりした受け。 93 2二と(32) ( 0:00/00:00:00) 94 同 玉(11) ( 0:00/00:00:00) 95 5四歩(55) ( 0:00/00:00:00) 96 3九と(49) ( 0:00/00:00:00) 97 同 銀(28) ( 0:00/00:00:00) 98 4五角成(67) ( 0:00/00:00:00) *これが手厚くて、後手はっきり勝ちになったと思います。 99 3五歩打 ( 0:00/00:00:00) 100 3六馬(45) ( 0:00/00:00:00) 101 3四歩(35) ( 0:00/00:00:00) 102 同 金(44) ( 0:00/00:00:00) 103 4三銀打 ( 0:00/00:00:00) 104 3七歩打 ( 0:00/00:00:00) 105 3一角打 ( 0:00/00:00:00) 106 1一玉(22) ( 0:00/00:00:00) 107 3四銀(43) ( 0:00/00:00:00) *形づくり。 108 3八歩成(37) ( 0:00/00:00:00) *この手を見て、久保九段投了となりました。 * *投了図以下、▲同銀、△4八成桂が詰めろで1手1手の寄り。 *(△4八成桂に▲2八金と受けると△3四銀とも取れてしまいます。) * *中盤あたりまでは、久保九段が上手く指していて、先手ペースに進んでいましたが、終盤で渡辺棋王が盛り返して逆転のような内容だったと思います。 * *やはり▲7二金のような指し手では勝てないとしたものというのを感じる1局でした。 * 109 投了 ( 0:00/00:00:00) まで108手で後手の勝ち
【参考図1】

59手目▲8五桂に代えて、
▲3四歩、△8一飛、▲5二と、△同金、
▲5四歩、△同歩、▲同飛、△4二金右、
▲5三歩
とした局面。
感想戦で示された変化で、これで先手ペースだったようです。
【参考図2】

83手目の▲7二金に代えて、
▲3三同飛成、△同角、▲4二銀、△2二銀、
▲3一歩成、△同銀、▲3三銀成、△同桂、
▲3二歩、△2二銀、▲4二成桂
と進んだ局面です。
激指13が示していた変化で、これは難しい終盤が続きました。
【参考図3】

91手目、▲3二とに代えて
▲3四同飛、△同角成、▲3二銀、△3一角、
▲同成桂、△2二玉、▲1一角、△1三玉、
▲2一成桂
と進んだ局面です。
この変化もあったようですが、上部に逃がしてしまい、
持ち駒が桂しかなく寄せれないと判断したのかもしれません。
▲7二金と使ってしまったがために、攻めが細くなり
▲3二とのあたりは既に厳しい局面だったのかもしれません。

この将棋はなんといってもこの手が一番印象に残ります。
局面は持ち駒の金を飛車取りに打ったところです。
少し前に羽生さんが棋聖戦で貴重な1歩を打って、
すぐに成り捨てという驚愕な手が出ましたが、
それと同じぐらいこの手に驚きました。
激戦の相穴熊戦をじっくりご覧ください。
# ---- Kifu for Windows V7 V7.09 棋譜ファイル ---- 開始日時:2015/07/29 22:29:03 終了日時:2015/07/30 15:29:34 手合割:平手 先手:久保利明九段 後手:渡辺明棋王 手数----指手---------消費時間-- *第74期順位戦A級2回戦 *久保利明九段 vs 渡辺明棋王 1 5六歩(57) ( 0:00/00:00:00) *本局は先手中飛車を用意してきたようですね。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) 3 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) 4 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00) 5 5八飛(28) ( 0:00/00:00:00) 6 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) 7 5五歩(56) ( 0:00/00:00:00) 8 4二玉(51) ( 0:00/00:00:00) 9 4八玉(59) ( 0:00/00:00:00) 10 3二玉(42) ( 0:00/00:00:00) 11 3八玉(48) ( 0:00/00:00:00) 12 5二金(61) ( 0:00/00:00:00) 13 2八玉(38) ( 0:00/00:00:00) 14 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) 15 7七角(88) ( 0:00/00:00:00) 16 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00) 17 6八銀(79) ( 0:00/00:00:00) 18 3三角(22) ( 0:00/00:00:00) 19 1八香(19) ( 0:00/00:00:00) 20 2二玉(32) ( 0:00/00:00:00) 21 1九玉(28) ( 0:00/00:00:00) 22 4三金(52) ( 0:00/00:00:00) 23 2八銀(39) ( 0:00/00:00:00) 24 1二香(11) ( 0:00/00:00:00) 25 5七銀(68) ( 0:00/00:00:00) 26 1一玉(22) ( 0:00/00:00:00) 27 3九金(49) ( 0:00/00:00:00) 28 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) 29 4六銀(57) ( 0:00/00:00:00) *居飛車側が穴熊に組んだ場合は、先手も穴熊に組む実戦例が多く、この辺りまでは自然なよくある進行ですね。 30 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *この手は先手から7五歩をさせない意味もあります。 *他には後手の6二の銀が移動した後、先手から▲5六飛~▲6六飛の狙いがあり、その際に△8三飛と受けれるようにした意味もあります。 31 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) 32 7三銀(62) ( 0:00/00:00:00) *これは珍しい手で、積極的ですね。 *渡辺棋王が用意してきた手かもしれません。 * *多くの実戦例では△5一銀~△4二銀とする指し方が圧倒的に多いです。 33 5九金(69) ( 0:00/00:00:00) 34 6四銀(73) ( 0:00/00:00:00) 35 4九金(59) ( 0:00/00:00:00) *後手からの△6五銀を防いで、今度は△7五歩などと狙われたりするので、1手の価値が低いです。 *先手としては、後手の△6四の銀の攻めを受け止めるというよりは、軽くいなして、そっぽのうちに3筋、4筋方面で戦いを起こすのが先手の理想です。 36 6五銀(64) ( 0:00/00:00:00) 37 5九角(77) ( 0:00/00:00:00) *先に逃げるのがよくある受けの形。 38 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) 39 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00) 40 7六銀(65) ( 0:00/00:00:00) 41 3五歩(36) ( 0:00/00:00:00) 42 2二角(33) ( 0:00/00:00:00) *この手は57分の長考だったようです。 *△3五同歩が自然なので、これは少しひねった手という感じですね。 * *1つの意味としては▲3四歩の取り込みが角当たりにならないということですね。 * 43 3四歩(35) ( 0:00/00:00:00) 44 6七銀成(76) ( 0:00/00:00:00) *△2二角の効果で▲3四歩に構わずこの手が指せるということですね。 *これで後手が一番懸念していた、銀が遊ぶ展開にはなりにくそうですね。 45 5六飛(58) ( 0:00/00:00:00) *私は▲3八飛が自然に思えましたが、久保九段は飛車を浮きました。 * *この手は左辺から飛車を捌きたいということでしょうか。他には8六飛を防いでいるので、▲2六角などの角を自由に動かせるようになりました。 46 3四金(43) ( 0:00/00:00:00) 47 6二歩打 ( 0:00/00:00:00) *手筋の手裏剣という感じですね。 * *▲6一歩成とと金を作るのが狙いで、△同飛ならば▲5四歩、△同歩、▲同飛で▲7四飛~▲8四飛という転換の狙いがあります。 48 3六歩打 ( 0:00/00:00:00) *嫌味な垂れ歩。 *次に△4五歩を狙っています。 49 3五歩打 ( 0:00/00:00:00) *▲6一歩成もあるようですが、後手から突かれて△4五歩と▲5七銀、△同成銀で銀交換になってしまいます。 * *先手としては6七の成銀はできるだけ相手にしたくないので、自然な手に見えますね。 50 3三金(34) ( 0:00/00:00:00) 51 3八金(49) ( 0:00/00:00:00) *落ち着いてますね。 *これで一気に穴熊が堅くなった印象ですね。 *後手の成り銀からも遠ざかりました。 52 4三金(33) ( 0:00/00:00:00) 53 6一歩成(62) ( 0:00/00:00:00) *先手待望のと金ができました。 *このと金が▲5一と~▲4一と~▲3一とのような順で銀が一枚取れれば先手がはっきり優勢になるので、後手は忙しい局面です。 54 7三桂(81) ( 0:00/00:00:00) 55 7七桂(89) ( 0:00/00:00:00) *後手の△6五桂を防ぐ。 56 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *この手は△1三角で遊んでる角を活用する手を含みにした意味もありそうです。 57 5一と(61) ( 0:00/00:00:00) 58 4二金(43) ( 0:00/00:00:00) *▲4一とだけは許せません。 59 8五桂(77) ( 0:00/00:00:00)+ *感想戦で、少し急ぎすぎたというような感想があったようですね。 * *この手に代えて、▲3四歩が有力で、以下、△8一飛、▲5二と、△同金、▲5四歩、△同歩、▲同飛、△4二金右、▲5三歩で先手ペースだったようですね。(参考図1) * 60 6五桂(73) ( 0:00/00:00:00) *跳ね違いの桂はたまに出てくる桂の手筋。 *この手は、△4五歩、▲同銀、△5七桂成を狙っています。 * * 61 7三桂成(85) ( 0:00/00:00:00) *跳ね違いの桂は当然承知の上で久保九段はこれで指せると見ているのですね。 62 8一飛(82) ( 0:00/00:00:00) 63 6二成桂(73) ( 0:00/00:00:00) 64 4五歩(44) ( 0:00/00:00:00) 65 同 銀(46) ( 0:00/00:00:00) 66 5七桂成(65) ( 0:00/00:00:00) 67 3六飛(56) ( 0:00/00:00:00) *嫌味な垂れ歩が取れて味が良いですね。 *▲8五桂が急ぎすぎだったというような感想があったようですが、これでも依然として先手が有利だと思います。 * 68 5八成銀(67) ( 0:00/00:00:00) 69 5二と(51) ( 0:00/00:00:00) *角取りに構わず攻め合いに出ました。 *△5九成銀と取った瞬間が働きが薄いので取らせて1手稼ぐということなのでしょうか。 * *平凡に▲7七角や▲3七角と逃げるのが普通で、そちらも有力ですね。 * 70 5九成銀(58) ( 0:00/00:00:00) 71 4二と(52) ( 0:00/00:00:00) 72 同 金(32) ( 0:00/00:00:00) 73 3四歩(35) ( 0:00/00:00:00) *▲3四銀も有力でした。 *ただ、▲3四銀だと3筋に歩が使えない形なので、こちらの方が筋という感じがしますね。 74 6七角打 ( 0:00/00:00:00) *銀取りで先手の攻め駒を攻める。 *後手の渡辺棋王は、攻め合いでは厳しいのでしばらく受けるという方針のようですね。 75 3三歩成(34) ( 0:00/00:00:00) 76 同 金(42) ( 0:00/00:00:00) *△4五角成も有力だったようで、以下▲4二とには構わず△3六馬。 *しかし、玉が非常に薄くなるので、後手はその順は選びきれなさそうですね。 77 4四銀(45) ( 0:00/00:00:00) *華麗な捨て駒ですね。 78 同 金(33) ( 0:00/00:00:00) 79 3二歩打 ( 0:00/00:00:00) 80 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00) 81 5二成桂(62) ( 0:00/00:00:00) *▲4四銀と捨てたのはこれで成桂を活用できるということですね。 *先手は駒損しても攻めが繋がってしまえば勝ちです。 82 3三銀(42) ( 0:00/00:00:00) 83 7二金打 ( 0:00/00:00:00)+ *驚愕の1手。 * *奨励会員がこのような手を指したら、破門ですねと言われる類の手ではないでしょうか。 * *この金が寄せに働く見込みはほとんどなく、飛車を1段目からどかすためだけに貴重な持ち駒の金を使うのは基本的にはありえません。 *久保九段はこれでやれるとみてるということなのでしょうか。 * *この手に代えて、激指13では▲同飛成が有力としていました。(参考図2) 84 8三飛(81) ( 0:00/00:00:00) *飛車を逃げずに△3五歩など利かしてから逃げるような順も考えたでしょうが、実戦は単に逃げました。 85 4一成桂(52) ( 0:00/00:00:00) *△7二金の意味はこの手が指したかったからですね。 86 4八歩打 ( 0:00/00:00:00) *歩の攻めなのでリスクがほとんどないですね。 *後手からは何回でもこの筋でと金が作れるので、先手としても忙しい局面ですが、金を使ってしまったのでうまく攻めが繋がるかどうかという局面になってます。 87 3一歩成(32) ( 0:00/00:00:00) 88 4九歩成(48) ( 0:00/00:00:00) 89 3四歩打 ( 0:00/00:00:00) 90 同 銀(33) ( 0:00/00:00:00) 91 3二と(31) ( 0:00/00:00:00)+ *この手が良くなかったようですね。 *この手に代えて、▲3四同飛、△同角成、▲3二銀、△3一角、▲同成桂、△2二玉、▲1一角、△1三玉、▲2一成桂とする順も有力でした。(参考図3) 92 3三銀打 ( 0:00/00:00:00) *しっかりした受け。 93 2二と(32) ( 0:00/00:00:00) 94 同 玉(11) ( 0:00/00:00:00) 95 5四歩(55) ( 0:00/00:00:00) 96 3九と(49) ( 0:00/00:00:00) 97 同 銀(28) ( 0:00/00:00:00) 98 4五角成(67) ( 0:00/00:00:00) *これが手厚くて、後手はっきり勝ちになったと思います。 99 3五歩打 ( 0:00/00:00:00) 100 3六馬(45) ( 0:00/00:00:00) 101 3四歩(35) ( 0:00/00:00:00) 102 同 金(44) ( 0:00/00:00:00) 103 4三銀打 ( 0:00/00:00:00) 104 3七歩打 ( 0:00/00:00:00) 105 3一角打 ( 0:00/00:00:00) 106 1一玉(22) ( 0:00/00:00:00) 107 3四銀(43) ( 0:00/00:00:00) *形づくり。 108 3八歩成(37) ( 0:00/00:00:00) *この手を見て、久保九段投了となりました。 * *投了図以下、▲同銀、△4八成桂が詰めろで1手1手の寄り。 *(△4八成桂に▲2八金と受けると△3四銀とも取れてしまいます。) * *中盤あたりまでは、久保九段が上手く指していて、先手ペースに進んでいましたが、終盤で渡辺棋王が盛り返して逆転のような内容だったと思います。 * *やはり▲7二金のような指し手では勝てないとしたものというのを感じる1局でした。 * 109 投了 ( 0:00/00:00:00) まで108手で後手の勝ち
【参考図1】

59手目▲8五桂に代えて、
▲3四歩、△8一飛、▲5二と、△同金、
▲5四歩、△同歩、▲同飛、△4二金右、
▲5三歩
とした局面。
感想戦で示された変化で、これで先手ペースだったようです。
【参考図2】

83手目の▲7二金に代えて、
▲3三同飛成、△同角、▲4二銀、△2二銀、
▲3一歩成、△同銀、▲3三銀成、△同桂、
▲3二歩、△2二銀、▲4二成桂
と進んだ局面です。
激指13が示していた変化で、これは難しい終盤が続きました。
【参考図3】

91手目、▲3二とに代えて
▲3四同飛、△同角成、▲3二銀、△3一角、
▲同成桂、△2二玉、▲1一角、△1三玉、
▲2一成桂
と進んだ局面です。
この変化もあったようですが、上部に逃がしてしまい、
持ち駒が桂しかなく寄せれないと判断したのかもしれません。
▲7二金と使ってしまったがために、攻めが細くなり
▲3二とのあたりは既に厳しい局面だったのかもしれません。
コメント
コメントする